言霊:政治が目指すべきこと
彼は過去5年を振り返り、米ソの間で熾烈な核開発競争が行われていることに懸念を表明し、アメリカ国民に核の廃絶を訴える。そしてその中で、次のような「世界政府」の構想を発表する。
ただし こういった暴力の放棄は
同時に超国家的な司法・行政機関が
設立されなければ効果がない
国家の安全保障問題に
決断を下せる機関が必要だ
複数の国家が「そんな世界政府を
実現するための協力をする」と
宣言するだけでも
戦争の危機を軽減できるはずだ
そして、こう結ぶ。
結局 人類の全ての平和協力は
まず互いの信頼が大事であり
司法や警察などの機関は
二次的なものにすぎない
これは 国家間でも個人でも同じで
信頼の基盤は誠意ある関係なのだ
国家間の信頼に基づく世界政府機関の創設。
彼は、そんなことを夢見ていたのだ。
そして核の廃絶も、暴力の放棄も、世界政府の創設も、
人類の平和共存と繁栄を望んだからこそ訴え続けた。
それから半世紀以上経った現在に至っても、
人類は同じ夢を見ることすらできないでいる。
(了)