GivingTreeの雑記帳 [はてな版]

seeking for my another sky─それは、この世界そのものだと気付いた

2011年夏:ハリウッドボウルでの狂喜乱舞の夜

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縁あって、去る2011年9月7日、ロサンジェルスのハリウッド・ボウル(Hollywood Bowl)という屋外音楽堂でクインシー・ジョーンズQuincy Jones)の芸暦60周年記念コンサートを体験する機会に恵まれた。
その名も、


QUINCY JONES FEATURING THE GLOBAL 

GUMBO ALL-STARS AND FRIENDS






17,000人を収容するこの屋外音楽堂は超巨大で、なにより驚いたのはその17,000席が全席完売していたことだった。さすがクインシー・ジョーンズ

コンサートには世界中からクインシー・ジョーンズの友人アーティストや、若い才能が集まった。中には日本から松田聖子(Seiko Matsuda)の姿もあり、『上を向いて歩こう』を英語("Sukiyaki")と日本語の両バージョンでしっとりと歌い上げ、パティ・オースティングロリア・エステファンらと「シスター」ユニットを組んで『愛のコリーダ』を熱唱。世界のトップアーティストの貫禄を見せつけた。(※聖子さんの"Suikiyaki"を歌う場面の動画がアップされました!4:05あたりからご覧ください。初めから視聴すると、フランク・シナトラ・JRの"Fly Me To the Moon"などが愉しめます。)


国内外のアーティストには、フランク・シナトラ・JRFrank Sinatra Jr.パティ・オー、スティン(Patti Austin)、ジェームズ・イングラムJames Ingram、特別ゲストとしてグロリア・エステファンGloria Estefanも招かれ、さらにサプライズ・ゲストとして俳優でアーティストでもあるアンディ・ガルシア(Andy Garcia)のパーカッションとトランペット奏者のアルトゥロ・サンドヴァル (Arturo Sandoval)の度肝を抜くパフォーマンスというプレゼントもあった。公式案内※こちらも動画アップされました!3:55あたりから『愛のコリーダ』の合唱(聖子さん含む)。初めから視聴すると、クインシー作曲の往年のTV番組の名サントラが愉しめます。


さらに今回のコンサートの目玉は、クインシー自らが世界中を巡り歩いて見つけてきた秘蔵っ子の「金の卵」たちの紹介だった。それが、Global Gumbo All-Stars。

この中にはキューバ25歳の若き天才ジャズピアニスト(11月来日予定)のルフレド・ロドリゲス(Alfredo Rodriquez若干9歳にして作曲(!)まで手がけるもう一人の天才ピアニスト、エミリー・ベアー(Emily Bear、なんと堂々と冒頭を飾りその興奮をいち早くツイートした17歳らしい感性の歌姫、ニッキー・ヤノフスキー(Nikky Yanofskyなど、その才能をクインシー・ジョーンズに見出された若き天才たちが惜しげもなくそのスーパースキルを披露し、この日、見事ワールド・デビューを果たした。


出演アーチスト一覧:

Patti Austin
パティ・オースティン
The Brothers Johnson(ザ・ブラザース・ジョンソン)
Richard Bonaリチャード・ボナ
Emily Bear(エミリー・ベア)
Paulinho Da Costaパウリーニョ・ダ・コスタ)
Nathan East(ネイサン・イースト)
Siedah Garrettシーダ・ガレット)
James Ingram(ジェームズ・イングラム
Seiko Matsuda松田聖子
Francisco Mela(フランシスコ・メラ)
Alfredo Rodriguezアルフレード・ロドリゲス)
Nikki Yanofsky(ニッキー・ヤノフスキー)
Gloria Estefan, special guest(特別ゲスト グロリア・エステファン


これだけの面子を揃えて、盛り上がらないわけがない。17,000人が立ち上がり、歌い、踊った。忘れられない狂喜乱舞の夜となった。

この屋外コンサート、なんと録画・録音が完全に自由。案の定、早速YouTubeに動画が流れ始めた。
これはその一部。ジェームズ・イングラムパティ・オースティングロリア・エステファンの曲がアップされている。写りは決してよくないが、音だけはちゃんと聴けるので会場の興奮度合いは感じてもらえるだろう。今後も、YouTubeで「Hollywood Bowl Quincy」で検索したらきっともっと出てくると思う。

今回、何より感動したのは、御年78歳のクインシーの力強いMCの内容だった。

まず、ジェームズ・イングラムの"Just Once"を紹介するときに、「これは往年のラヴソングだが、今回は男と女の愛の話ではなく、人と人との愛の話として、平和の観点から聴いてみてほしい」と話し、涙が自然と溢れでた。※後で、この観点に基づいて歌詞を新訳してみた

そして最後の締めの言葉で、クインシーはこう言った。
If it is raining outside, then god darn it, go into it!
もし外で雨が降り始めたら、迷わずその雨に飛び込め!
最高の肯定(affirmation)の言葉だった。この言葉にどれほど救われたことか。
歌い、踊り、涙し、救われた。ありがとう、クインシー・ジョーンズ。あなたは偉大です。



ザ・ブラザーズ・ジョンソン