GivingTreeの雑記帳 [はてな版]

seeking for my another sky─それは、この世界そのものだと気付いた

外交:具体性を欠く在日米軍再編ロードマップ、「パッケージ」という幻想

見通せていた筈の基地返還プロセス

「嘉手納以南の基地返還も、基地の一部分を返還されても跡地利用の観点からメリットが少ない場合がほとんど。返還されるなら基地毎纏まってではないとまともな跡地利用につながらないのが実状。即ち、今年や来年返還というわけにはいかない。更に基礎自治体単独での跡地利用も困難なようだ。」


「返還されるなら基地毎纏まってではないとまともな跡地利用につながらないのが実状。即ち、今年や来年返還というわけにはいかない。更に基礎自治体単独での跡地利用も困難なようだ」―という、この佐藤議員が公言する内容は、自公政権下での基地返還計画の杜撰さを吐露したに等しい。

佐藤議員のこの観察は、自公政権時代に「パッケージ」化された段階で検討されていた筈。「パッケージ」を外された現在も、当時の計画を“修正”しているに過ぎない。それで問題があるということは、自公政権の計画が杜撰だったということ。即ち、普天間移設をグアム移転+嘉手納以南の5基地返還の「パッケージ」とする交渉自体が中身のないものだったことである。普天間移設が進むか如何に関わらず、5基地返還についても詳細が詰められていて然りだった筈ではなかったか。

つまり、こういうことだ。
普天間移設が進むか進むにかかわらず、グアム移転や基地返還計画はロクに詰められていなかった。
曖昧かつ杜撰な計画であったことを認めた自民党関係者


米側はマスタープランすら作成しておらず、にも関わらず予算だけは米議会に請求、日本側は米側が予算を確保しないうちから負担金を拠出してきた。にも関わらず、日本側は依然として普天間移設を推し進め、グアム移転費用については全額負担する積もりでいる。それでいて基地返還計画については白紙同然。これではまるで「交渉」になっていない。「パッケージ」を外した意味がない。
これら一連の事実や課題が示すのは、それだけ当初の合意と計画が曖昧かつ杜撰なものであり、実際には「パッケージ」の体を成していないものを、普天間移設を「てこ」にして無理やり地元に受け入れさせようとしてきたという事実である。
旧政権の杜撰な所業を正す作業は容易ではないということを、はからずしも自民党の人間が認めたということだ。



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