GivingTreeの雑記帳 [はてな版]

seeking for my another sky─それは、この世界そのものだと気付いた

特別転記:NYT映画「日本再武装」の和訳スクリプト(3)

第3章 悪夢の再来

ビデオ本編
軍事による富国を目指す日本。
右翼的な愛国主義を奨励する日本。
かつての残虐性を否定する日本。
そして、核兵器に揺れる日本。

果たして日本は、過去の過ちを繰り返してしまうのだろうか。

広島市立大学教授 田中利幸:「核アレルギーは、依然として強いので、核に関する日本の人々の考えを変えるのにはまだ少し時間がかかるだろう。しかし心配なのは、若者たちがその意識の存在を忘れてしまうことだ」

ごく最近、東京早大社会学部の学生たちが、日本における政治的動向について教授を囲んで語り合った。

教授:「日本は核武装するべきだと思いますか」

早稲田の学生 リー・ジンヒー:「米追従をやめたいなら、核を持つべきかもしれません。日本には軍隊が必要だと思います」

早稲田の学生 カワゾエサオリ:「核武装をするとしたら、それはとても残念な選択ですが、北朝鮮に脅威に対する一つの解決策かもしれません。でも決して、望ましいことではなく、また残念な選択だとは思います」

早稲田の学生 カノウユウスケ:「核兵器の廃絶を定めた日本国憲法を誇りに思うべきです。なぜなら、日本は世界で唯一の被爆国だからです」

外務副報道官 谷口智彦:「多くの議論が行われており、さまざまな意見が交わされている。しかし、端的に言えば、日本語を話さない人には、日本がどの方向に向かっているのか、どのような議論がされているのか、あるいはされていないのかさえ把握するのが非常に難しい。『Sunshine is the best disinfectant』(公明正大こそが最高の信頼の証)という言葉があるが、これはここでも当てはまる。まず、議論を行っていることを世界に知らしめなければいけない。そうすれば、アジア諸国を含む世界全体が、日本の進もうとしている方向を安心して見守れるようになるだろう」

広島市立大学教授 田中利幸:「日本人が中国人に対して残虐行為を働いたという事実に疑いの余地は無い。我々が、中国人を含む何万もの人々を殺害したことも疑いの余地は無い。我々が政府ではなく、個人に対して支払う責任があることも疑いの余地は無い。我々はこれらの問題と向き合い、適切に対処しなければならない。さもなければ、我々はいつまでもこの問題に苛まれることになる」

(本編の終わり)

(了)