外交:(中編)靖国が内包する日本のアジア戦略問題
集約された問題を更に絞り込んで、争点となって問題が交差するポイントに 敢えて 単純化(デフォルメ)して集約してみる。これは、「すべての問題に対する完璧な解決策を探り出すこと」ではなく、「大まかにまんべんなく全関係者が問題と考えることに対する妥協点を模索すること」が今回の目的であるからだ。
(A)靖国の問題点をデフォルメして集約する。
「大戦を美化している宗教法人である」(B)小泉首相の問題点をデフォルメして集約する。
「総理大臣なのに私事として戦時指導者が合祀されている宗教法人に参拝している」(C)中国の問題点をデフォルメして集約する。
「首相による参拝さえなくなれば、首脳会談も可能だと主張しているがその保証がない」
(D)国内世論の問題点をデフォルメして集約する。
「外交重視と内政干渉論に二分されており、双方の主張が極端で中道性に欠ける。」
それぞれの問題点が集約されると各プレイヤーの反応はどうなるか。
(A:靖国)について:
(B:小泉)は、大戦を美化する宗教法人を私事と称して参拝していることになる。
(C:中国)は、大戦を美化する宗教法人 そのもの を批判してはいない。
(D:世論)は、大戦を美化する宗教法人に慎重な意見を述べるが内政問題と考えている。
(C:中国)は、大戦を美化する宗教法人 そのもの を批判してはいない。
(D:世論)は、大戦を美化する宗教法人に慎重な意見を述べるが内政問題と考えている。
つまり靖国の問題点に対し、
小泉はそのことに無頓着である。
中国はそのものは批判していない。
世論は問題視している。
中国はそのものは批判していない。
世論は問題視している。
問題視しているのは世論だけ、という1つの結論が見えてくる。
つまり小泉の問題点に対し、
中国は問題し、世論は懸念している─という結論が見えてくる。
つまり中国の問題点に対し、
小泉は不快感を露にしているが、世論は懸念しつつも信用のなさから反発している─という結論が見えてくる。
つまり世論の問題点に対し、
小泉は世論を逆手にとっているが、中国は世論はあまり問題視していない─という結論が見えてくる。
ややこしいかもしれないが、これでそれぞれのプレイヤが何を最大の問題点としているかが浮き彫りにされた。要はこれらの問題点を集約した妥協点が必要ということである。でなければ問題は根本から解決されない。
しかしこうして単純化(デフォルメ)してみると、実は各個に考えれば問題はそれほど複雑でないことに気がつく。複雑に絡み合っているようで、それは各問題点に対する認識の齟齬(錯誤)が引き起こしている問題で、各関係者の認識を整理して要点をまとめ(前・中編)、各プレイヤーがどういう行動を起こしているか・提案しているかをリストアップ(後編)すれば、そこからそれらの行動・提案の問題点と同時に妥協点が見えてくるのである。
しかしこうして単純化(デフォルメ)してみると、実は各個に考えれば問題はそれほど複雑でないことに気がつく。複雑に絡み合っているようで、それは各問題点に対する認識の齟齬(錯誤)が引き起こしている問題で、各関係者の認識を整理して要点をまとめ(前・中編)、各プレイヤーがどういう行動を起こしているか・提案しているかをリストアップ(後編)すれば、そこからそれらの行動・提案の問題点と同時に妥協点が見えてくるのである。
次の投稿で、その最終段階の「妥協点の模索」を試みてみることとする。