GivingTreeの雑記帳 [はてな版]

seeking for my another sky─それは、この世界そのものだと気付いた

平和:自分の平和思想の起源(1)

『ヤマト』から学んだこと

「『宇宙戦艦ヤマトⅢ 太陽系の破滅』の全あらすじ
●序章
 物語は、東西冷戦さながら宇宙を二分にして覇権を争っている“星間国家”なるものによって発射された1発の流れ弾の惑星破壊プロトンミサイルが太陽に命中したことで、人類の運命が変わることから始まる。惑星をも破壊する威力を持つこの超破壊兵器は、太陽の核融合を異常増進させ地球人類に1年内の絶滅という死の宣告を突きつける。 

●惑星探査計画の実行
 地球連邦政府はこの未曾有の危機について専門家に警告されるが、これを無視し、あろうことか専門家を研究の世界から追放してしまう。同じ専門家の話を耳にしていた地球連邦軍司令部はこの警告を重く受け止め、連邦政府にも内密に、第二の地球を求める移住惑星探査計画を独断で実行に移す。その先鋒を任されたのがヤマトだった。

●二大星間国家との敵対
 ヤマトは航海の行く先々で、ボラー連邦とガルマン帝国という2つの星間国家の攻撃にさらされる。後にガルマン帝国は実はヤマト艦長の盟友デスラー総統の国だと判明するのだが、帝国の末端はそんなことは知らないのでヤマトを執拗に追い回す。渦中、ヤマトはガルマン艦隊に追撃されるボラー連邦艦隊に遭遇する。ヤマトは身を挺してボラー艦隊を守り、そのお礼にとボラー連邦の衛星国バース星に招待されるが、流刑地であるその衛星国で連邦の実態を知り、反旗を翻して囚人の逃亡を助けたことで連邦も敵に回すことになる。こうしてヤマトは、宇宙二大勢力を敵に廻しながら孤独な捜索の旅を続けることになる。

●シャルバート教の存在
 航海の途中、ヤマトはボラーとガルマンの両勢力の間で迫害されている信者たちがいることに気付く。その信者たちは、かつて宇宙を強大な力で支配したという伝説の星間国家シャルバートの支配者である「マザー・シャルバート」を信仰するものたちだった。彼らはこの伝説の国家にたどり着くために、あてもなく宇宙をさ迷っているところをボラー連邦に捕獲され囚人として流刑の地に送り込まれていたのである。同じ頃、ガルマン帝国本星では、シャルバート信者であることが発覚した将軍がデスラー自らの手によって処刑されていた。二大星間国家が彼ら信者たちを迫害するのは、シャルバートの力を恐れてのことだった。

●太陽の制御への挑戦
 ガルマン艦隊との激しい攻防の末、敗北を喫し艦隊に捕獲され囚われの身となったヤマトは、デスラー総統への献上物としてガルマン帝国本星に届けられる。その途中でヤマトの存在を知ったデスラーはヤマトに謝罪し、その償いとして太陽の核融合を制御するのに協力したいと申し出る。ガルマン帝国の高度な科学力を信頼する古代は喜んでその申し出を受け、地球連邦司令部の許可を得て急遽ヤマトとガルマン工作船隊による太陽の核融合制御プロジェクトが発足し実行に移される。だが計画は失敗し、太陽を科学的に制御するのが不可能と悟ったヤマトは再び移住先を捜索する旅に出る。

●伝説の星シャルバートへ
 計画が無残な結果に終わり傷心のデスラーは、地球に似たデータを持つ惑星ファントムをヤマトに紹介する。ヤマトはガルマン本星を後にしファントムへと向かうが、たどり着いた惑星はデータもその姿も地球そっくりな星だった。だがその実態はスーパーコスモ生命体といわれる巨大な生命体で、見るものの目に合わせて姿かたちを作り変えてあるものを守り続けていた。そのあるものとは、伝説の星シャルバートの王位継承者ルダ王女だった。
 だが、ルダ王女がヤマトに保護されたことを知ったガルマン・ボラーの両国はヤマトを攻撃。ルダ王女を強奪しようとする。デスラーの変わらない友情と協力によりからくもボラー艦隊を打ち破ったヤマトは戦場を離脱し、最後の惑星ベータ星の探査に向かう。だが調査の結果、人類の移住先には適していないことがわかりヤマト乗員は絶望に打ちひしがれる。そのとき、ルダ王女がシャルバートへの道筋を示し、ヤマトをシャルバート星に招待する。

●戦いを棄てた人々
 シャルバートの王位継承者にしか開けない異次元空間への道がルダ王女によって開かれ、ヤマトはついに伝説の星シャルバートに降り立つ。だが同じ頃、シャルバートへの道はガルマン・ボラーの両艦隊に見つかってしまい、ボラー艦隊はシャルバートに対する電撃占領作戦を実行に移す。はるかなる昔に軍備を棄てたシャルバートの人々は、抵抗もせずになすすべもなくボラーによって次々と殺されていく。ヤマトはこれに徹底抗戦し、シャルバート上空に待機するガルマン艦隊のデスラーは、侵攻に加わらずにボラーの主力艦隊を撃滅する。だがデスラーの狙いは、シャルバートに隠された強大な軍事力にあった。
 ボラーの侵略部隊をすべて打ち破ったヤマトの古代艦長はシャルバート星の長老とルダ王女によって王家の墓に案内される。そこで古代は長老からあるものを託される。それは、太陽の核融合を制御する古代の超兵器ハイドロコスモジェン砲だった。ルダ王女を送り届け、シャルバート星を侵略から守ってくれたお礼というのだ。デスラーはそれらの超兵器の存在を知りつつも、軍備を完全に葬り去ったシャルバートの人々に敬意を表し侵略しないことを誓う。その確約を得て、ヤマトはハイドロコスモジェン砲を装備し、地球に向けて出発する。

●決戦のとき
 瀕死の地球を救う為、異次元トンネルを抜けて地球へと急ぐヤマト。その頃、地球ではまさに人類が限界に達していた。ヤマトは地球連邦司令部に打電し、太陽の核融合を制御する術を獲得したことを告げ、ハイドロコスモジェン砲の発射準備に入る。だがまさにカウントダウンが終わろうとした瞬間、ヤマトはボラー連邦機動艦隊の攻撃を受け、艦首に設置したハイドロコスモジェン砲が故障してしまう。そしてベムラーゼ首相自らが率いる機動要塞の最終兵器ブラックホール砲の餌食になりかけたまさにそのとき、デスラー率いるガルマン艦隊が現れ、ボラー艦隊に壊滅的な打撃を与える。だがベムラーゼはデスラー艦隊にもブラックホール砲を発射し、今度はガルマン側が壊滅状態に陥る。両雄が決定打を失っていたそのとき、敵の猛攻の間隙をぬってヤマトのエースパイロットがボラーのブラックホール砲の砲塔に特攻を仕掛ける。勝機を見たデスラーはハイパーデスラー砲を発射。ベムラーゼを葬り去る。こうしてボラー・ガルマンの因縁の対決はガルマンの勝利に終わる。

●大団円
 ボラーの攻撃により故障してしまったハイドロコスモジェン砲は、決死の覚悟で修理に赴いたヤマト戦闘班長の土門の手によって直され。ついにヤマトは太陽を撃つ─すると肉眼で3倍以上にも膨れ上がった太陽が見る見る縮小して元の姿に戻っていく。太陽の制御に成功したのだ。
 戦いがすべて終わり、尊い犠牲を弔うヤマト全乗員の前に、承継の儀を経て新たにシャルバート星の女王となったルダ・シャルバートが現れ、語りかける。ヤマト乗員はその言葉を胸に刻み込み、母なる地球への帰路に着く。

「平和は、絶対に戦わぬことを決意し、その決意を、たとえ殺されても守り通すところからしかきません。それは自分との戦いであり、敵と戦うことより難しいのです」

─新マザー・シャルバートの言葉─

全25話もある大作テレビシリーズの全あらすじを思い出しながらまとめると、この位の長さになってしまう(無論、最後の2つは見ながら書いた)。これだけ実の詰まった内容から、得られるものがないはずがない。俺はそのストーリーの節目節目から、当時も自分が感じ取っていたであろう漠然としていたものが、あらためて今の自分の中で形づいているのを感じた。当時、子どもの頃の自分ではうまく言い表せなかった平和への思いを、いま綴る。
(つづく)