【特別転載】課外授業で子どもたちが学ぶ戦争の真理(詳細編)2
紛争解決人、子どもたちと考える
~ 『課外授業 ようこそ先輩』 より (2) ~
紛争解決人、伊勢崎 賢治教授は、母校(小学校)で子供たちに。
両国にまたがる玉川上水(川)と、五日市街道(道路)は、各々に
とって重要な資源です。
課外授業を行いました。
(あらすじ)
生徒たちの国『平和国』と、伊勢崎教授の治める『伊勢崎国』
ある年、平和国が旱魃に見舞われ、国境にある水門を閉じたため、
下流にある伊勢崎国は、五日市街道を封鎖します。
交易の要である道路を封鎖された平和国は、経済危機に陥ります。
伊勢崎国は、さらに国境沿いに軍を配備し、威嚇してきます。
兵器を持たない「平和国」でありましたが、
緊張の走るこの状況で、国会に「武器所有法案」が提出されました。
可決するには3分の2(20人)以上の票が必要です。
議員(生徒)たちは果たして、どちらに票を入れるのでしょうか。
・・・・・・・
第一回目の投票が行われました。結果は、、
賛成(武器を持つ) | 5人 |
反対(武器を持たない) | 24人 |
この時、平和国の大統領は賛成側でした。よって、反対(武器持たない)
に決定してしまうのをさけて、法案は再審査としました。
その間に旱魃はより深刻化し、水門を閉じられた伊勢崎国では
飢餓に苦しむ人たちが出てきます。
そんなある日、何者かにより水門が破壊されてしまいました。
原因究明のために、両国が話し合うことになりましたが、このとき
伊勢崎国は、派遣された平和国の議員を人質にとり、平和国に
決断を迫ります。
1回目よりさらに差し迫った状況で、
平和国の国会では再び「武器所有法案」について投票が行われました。
その結果は、、、
賛成(武器を持つ) | 16人 |
反対(武器を持たない) | 13人 |
ガーーーン!
武器を持つ事に賛成する議員(生徒)が、反対票を超えてしまいました!
気持ちはわかりますね。
伊勢崎国は武器をもっていて、国境沿いを戦車で固めている。
おまけに、話し合いに応じず、こちらの議員を誘拐したのですから。
第2回の投票では、法案賛成が過半数を越えましたが、20人に
達しなかったため可決には至りませんでした。(ホッ)
そのため、ここで、賛成派と反対派に分かれて、相談しあって、
相手側を説得するキャッチフレーズを考えて、
議論を戦わせることにしました。
武器所有賛成派 | 武器所有反対派 |
平和を守るためには、戦うしかない | 平和を裏切らない |
伊勢崎国に攻め込まれたら、みんな死んでしまう | 人を平気で殺せるのか |
これ以上の犠牲を出したくない | 武器を使わないでも人は助けられる |
これらのキャッチフレーズをベースに、両派は議論を戦わせます。
その間に、賛成派だった議員が反対側に行ったり、またその逆に
当初意気込んで反対していた議員が、うなだれて賛成派へ移ったりと、
さまざまなドラマがありました。
ひとりひとりが、本当に真剣に考えています。
議論は白熱し、賛成の気持ちと反対の気持ちとが、波のように
膨らんだり縮んだり、、
本当にもう見ていてハラハラいたしました。
話し合いが終わり、いよいよ最終投票が行われました。
(3)へつづく