GivingTreeの雑記帳 [はてな版]

seeking for my another sky─それは、この世界そのものだと気付いた

Twitlog:二十ニの呟き~140x22の呟き~(2010.03.15)

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日本のものづくり精神について

はじまりは、ハマコーさんのこのツイートへの同意RTだった。

プロローグ
同意RT @555hamako: 軍事戦略、諜報戦略、経済戦略 これらが国家戦略の柱である。
今日本は、確実に劣っている。
posted at 13:12:04

この1時間後の14:10:48、俺は静かに呟き始め、14:48:32に一旦議論を離れ16:44:14に再び続きを呟き始めた。

(1) 日本が直面しているジレンマは世界第二位の経済大国でありながらその力を有効に活用できないこと。経済パワーはハードパワーだが有効に活用できなければ力とならない。よって日本にはハードパワーがない。
(2) 自衛隊は世界第七位の軍事予算を持つが練度は高くても実戦経験に乏しくまた国際協力活動の実績も乏しいのでこれもハードパワーになりえない。したがって日本にはハードパワーがないしあったとしても有効に活用できる政治的指導力に欠けるので宝の持ち腐れとなる。
(3) では日本のソフトパワーは何か。最大のソフトパワーは平和主義だといわれるが、これも念仏平和主義のように一国平和を望むかのような世界の現実から乖離しているのでパワーとはいえない。また平和構築に関しても積極的に実践し多国間の紛争の調停を買って出るわけでもないのでパワー足り得ない。
(4) 平和主義がダメなら基本的な文化力はどうか。日本食は世界を席巻しブームを起こしている。ブームといえばアニメも漫もブームである。しかしブームに共通するのは何か。いずれ廃れるということである。つまり定着力がない。よってこれはパワー足り得ない。では一体日本にどんなパワーがあるのか。
(5) 日本人は勤勉である。教育水準や識字率が高く道徳や倫理観もほぼ一環しており、民族としての統一性を維持している。犯罪率も低く麻薬など社会問題も他の先進国に比べて抑えられている。治安の比較的良い社会の健全性が源となって日本人は安心して社会生活を営めているがこれはパワー足り得るのか。
(6) ここからがわからない。日本という国家を紐解いてその潜在力をごく単純に分析してみて一番わからいのがココである。日本国民は日本のパワーの源なのか。かつてはそうだったのが今は衰退したのか、それとも元元、パワーは官僚が持っているもので国民にはパワーが”与えられていなかった”のか。
(7) そして果たして政治はパワーを持っているのか。日本を牽引している「力」の実態とは一体何なのか。個々の企業のブランドなのか。突出したアーティストやアスリートたちなのか。個なのか社会なのか組織なのか自治体なのか国なのか。パワーの源があるとすれば、それは一体何なのか。わからない…。完
(8) 「知識と技術と発想力」という日本固有とも思える財産は、商品を作り売り出すという点では間違いなく武器になったかもしれない。しかしその財産の殻を破られたとき、その知識・技術・発想力を守る術をなんら持たない(理論武装していない)ことが日本のパワーの不完全性の表れなのではないだろうか。
(9) つまりこの3つの財産を守る術がない日本はやはり逆境に脆いパワーレスな国ということにならないか。唯一の強みがこの3つの財産によって醸し出される「高い生産性」や「高品質」「低価格」なのであれば、それらを失ってしまえばアウトということになる。そんな脆弱なパワーがあるだろうか。
(10) ここで個に立ち返ると、これら3つの財産の源は個人個人の労働者に行き着く。つまり日本人固有の勤勉さや生真面目さ几帳面さ等が合わさって3つの財産を形取り、これが高い生産性を持って「高品質」「低価格」という世界に太刀打ちできる日本のパワーの源となっている。
(11) では、「知識と技術と発想力」という3つの財産のいずれかに欠損が生じてしまいそれが日本製品の品質に反映されているのだとしたら、これらの原因となっているのは個人の力の低下あるいか劣化だろうか。近年、国内でも製品リコールは急増している。まるでOSのマイナーアップグレードのようだ。
(12) 「良い製品を責任持って世に送り出す」という日本の企業倫理はもう死に体なのであろうか。だとしたら、その企業を支えている個人にも、そうした倫理観がなくなってきている、あるいは薄まってきているということなのだろうか。そしたらこれはもはや企業の体質や企業の中の人間の問題ではない。
(13) 企業に送り込んでいる人間を創っている大学や高等、中等教育、そして社会の問題になってくる。つまり、もし日本の国家としてのパワーの源が日本国民であるのならば、日本のパワーの衰退は日本人自身の力の衰退を示している、ということなるのだろうか。そんな単純なものなのだろうか?わからない…完
(14) いつのまに日本は、こんなにリコールが行われる国になったんでしょうか。 回収・無償修理等のお知らせ_国民生活センター
(15) 企業で働くのは人です。どんなに組織の論理が働いても企業を動かす歯車は人。私は企業というものが金儲けの組織だから倫理観がないと主張しているのではなく、これまであった企業倫理というものも、個の意識の衰退によって劣化していったのではないかと。それを如実に示すのがこのリコール数と。
(16) 高度成長時代から今に至るまで、日本人は末端の労働者まで部品一つ一つの精度に拘り、工場での不具合率も世界最高水準の低さを保ってきました。私自身、1年ほど日本の最先端技術の粋の詰まった工場で1年以上働いたことがあるんです。その精度と拘りは折り紙付きでです。でもそれはもう10年以上前。
(17) 私が働いた工場でも「職人」さんがいました。本当にこの道ん十年という方で、その人が目を光らせていることが、実は工場全体の品質維持に大きく役立っていたということを実感したものです。どんなに最新鋭の危機を入れても自動化そ進めても効率的な役割分担を定めても、その中で動くのは人なんです。
(18) 私はお世辞にもその工場で立派な品質を維持する仕事をしたとはいえませんでした。むしろヘマして工場全体の不具合率を上げてしまったこともある。工場員としては失格な存在でした。しかし私以外の人は本当に日々研鑽で技術や知識もめきめきと上達していきました。私は不的確ということでデスクワークに
(19) そうしてデスクワークに廻って本社に移ってから気付いたことがあります。やはりあの自分のいた工場に居た人たちが、この会社の製品の品質を保っているのだと。あの人たちが複数人、労災や病気などで稼働不全になったら、それが会社の業績に直に影響する。製造業って、そういうものでした。
(20) いま現在リコールが多発している製品のメーカーの中には、泣く子も黙る大手がひしめいています。私がかつて働いていた自動車部品メーカーも、実はいまや世界最大手と並んでいるそうです。しかし、日本の、とくに電気産業の不動の大手といわれる数社と、私が前働いたメーカーを比べてみても、基本的に―
(21) ものづくりへの姿勢が甘いとしか言い様がない!!!!!!!!!!!
(22) 何がこれを起こした?企業の構造?グローバル資本主義?透明化により汚い部分が顕在化しただけ?教育の問題?どのレベルの?どのレベルの教育を間違えると、こういうことがまかり通る世の中になってしまう??
2010.03.15 13:00~20:00位の間に呟いた内容(その間のReply・RTは除く)

エピローグ
皆さんから反応頂いて、その一つ一つが、そしてそれを全部合わせたとしても、満足な答えにならない―というもどかしさを感じます。本当に、一体「何が」今のような日本にしてしまったんでしょう。 @johnny_t_r @yurikalin @tsubuyakisaburo @cnvvlty
posted at 20:01:10

※写真は翻訳会社で働いていた時代に帰社途中に撮った見事な夕暮れ。