GivingTreeの雑記帳 [はてな版]

seeking for my another sky─それは、この世界そのものだと気付いた

外交:北朝鮮問題で関係諸国が望むこと─北のゆるやかな崩壊(メモ)

北の現政権が崩壊したとして、その受け皿となる暫定自治政府が健在でないと、崩壊した後の責任をとりきれない。報復に北の軍が正常な判断を失って核を使う可能性も懸念される。

また韓国経済ひいては自国経済への影響も懸念されるため、米国としては崩壊を望むとしても軟着陸を望んでいる。北抑止力として核を実際に保有しているため、イラクとは状況が違うので武力による一方的な封殺は米韓合同で行っても実現しない。

さらに、北が崩壊し国境が無効となった場合、難民は一気に韓国へ押し寄せる。韓国としてはこの状況を望んでいない。しかもこれは隣国韓国だけの問題ではない。

韓国への亡命を拒む者は日本への亡命を望むだろう。不法難民の流入が相次ぐと治安上の問題になるため、政府はここでも神経を尖らさなければいけなくなる。日本はやっと景気が上向きになって経済が落ち着きはじめたところ。韓国はハイテク産業を中心に世界経済の中で躍進しているさなかにある。いずれも政情・経済不安は抱えたくない。北の崩壊後、難民受け入れ問題は必ず生じるが、それを最小限に抑えるために、 両国は北のゆるやかな崩壊を望んでいる。

6カ国協議の参加国にとって一番望まれるのは北内部での叛乱による崩壊


それによって北の指導部が差し出され、穏健かつ安心できる政権へと政権移管が行われればそれが一番。
だが、北には民主化のための基盤がない。したがって崩壊したとしても受け皿がない。その受け皿を諜報工作などで作ろうとしてもすぐに粛清されてしまう。だから経済制裁という兵糧攻めによって、政権の内部で不満を増大させて内部崩壊へと導こうとしている。日本もやっと、その制裁に加わる動機付けができた。

米国はこの内部崩壊に導くために様々なチャンネルから圧力を与えている。経済制裁もそうだが、強化された軍事プレゼンスもその1つだ。また交渉に応じないという姿勢を貫いていることもそうだし、ミサイル発射の際にも即敵対行動を起こさないことで、本音を計りがたいものにしている。

いま北は必死で米国の本音を探りだそうとしている。

そこで北の望む答えをすぐに与えてしまうのは、あまりに能がない。

北はいま崩壊寸前かもしれんのだ。さらなる圧力をかけて様子を見るのが賢明だ。
今回は、制裁発動によりその役割を日本が一役買ったことになる。