5/15 日本記者クラブに於ける申?枕秀駐日韓国大使離任会見の質疑応答部分起こし（校正前・校正後） #comfortwomen
以下は2013年5月15日、日本記者クラブに於いて行われた申?秀駐日韓国大使閣下の離任会見について、後半の質疑応答部分（0:46:24～）から、とくに報道でとりあげられた発言部分を起こしたものである。尚、この会見の前半部分については、申大使閣下ご本人より、来週頭には駐日韓国大使館サイトに会見原稿が掲載される予定であるという回答をいただいているが、この後半には質疑応答部分については起こされない可能性が多分にあるため、貴重な記録となるかもしれない。
日本記者クラブ：
第二問です。フロアの方からも出たんですけれど。日本側の過去の歴史認識について、です。①最近、村山談話等に囚われない発言が安倍首相を始め日本の政治家から繰り返されている現状をどう考えますか。これに関連して、②いわゆる“従軍慰安婦”制度について。橋下大阪市長の発言について、どう思われますか。
【校正前】 赤字が不適当と思われる表現
申大使閣下：
まず、二つの質問をされたと、いう風に思いますが、一つ目は日本の過去史についての認識を政府レベルで表明した“村山談話”についての質問。そして二番目が、最近の橋下大阪市長の軍隊慰安婦に関する発言だと思いますが、まず第一問目の質問にお答えしたいと思います。
まず、“村山談話”に反する、そしてそれを修正するような動きついて、韓国政府は強く反対する立場をとっているってことをハッキリしたいと、いう風に思います。村山談話”は過去史に対する日本政府の基本立場を表明したものであって、いままで日本の歴代政府はそれを踏襲してきております。韓国を含め周辺諸国もその“村山談話”に基礎して韓日関係、そして日本との関係を構築してきたわけなんですけれども、21世紀も2度目の10年に入った今現在で、“村山談話”に反する発言が出たりとか、それを修正しようとする動きが出るっていうことは、ひじょうに不幸なことだと、いう風に思っております。そして、韓日関係の将来にも不安定な要因を提供することになると思いますので、そのようなことが発生しないことを、そうするように、韓国政府はそのような発言が出る度に警告をしており、そうした方向で進めていきたいと、いう風に思っております。とくに個人的には、いまの与党が前与党だった当時にこの“村山談話”が発表されたということが、今になってそれを否認したり、直そうとしている。そういった発言ということは、いかにも不当なことを自ら表明していることではないかと、いう風に思っております。
そして二番目の橋下市長の発言なのですが、それを受けて、日本の指導者たる政治家が、歴史認識や女性の人権を尊重する意識が、いかにも貧弱であるっていうことを感じて、失望感を覚えました。その発言についていちいちコメントすることはしませんが、私は、市長の発言よりも、今回の発言についての日本社会の反応に注目する必要があると、いう風に思います。 本日の新聞報道等にもありましたけれども、読者投稿ですとか、社説、SNSの反応等を見ますと、良識のある日本の国民が橋下市長の発言をどのように受け止めているのかを明らかに示されている、と思います。そうした意味から、今回の橋下市長の発言が、水面下に隠されていた日本国民の考え方が表れた、そういったきっかけになったと、いう風に思っております。一般国民の考え方と乖離した歴史認識を持っている政治家が、慰安婦の被害者の苦痛と、そして女性の人権という普遍的なテーマについてもう一度考えてみる、そういったきっかけになればと、いう風に思っております。
【校正後】 青字が主に修正された表現
申大使閣下：
まず、二つの質問をされましたが、一つ目が、日本の過去史についての認識を政府が公式に表明した“村山談話”についての質問。二つ目が、最近の橋下大阪市長の従軍慰安婦に関する発言であった、という風に理解しております。まず第一問目の質問にお答えしたいと思います。
まず、“村山談話”に反する、或いはこれを修正するような動きついて、韓国政府は強く反対する立場であることをハッキリ申し上げておきたいと思います。村山談話”は過去史に対する日本政府の基本認識を表明したものであり、歴代の日本政府はこれを踏襲してきております。韓国を含め周辺諸国もその“村山談話”を基礎として韓日関係、或いは日本との関係を構築してきたわけでございます。然るに、21世紀に入り12年以上もの月日が経った現在において、“村山談話”に反する発言や、それを修正しようとする動きが生じるということ自体が、ひじょうに不幸なことだという風に思っております。また、韓日関係の将来にとっても、これは不安定要因となり得るため、そのようなことが発生しないよう、韓国政府はそのような発言がある度に忠告を行うようにしており、また、そうした方向で進めていきたい、という風に考えております。とくに個人的には、現在の与党が以前与党だった当時にこの“村山談話”が発表されているのですから、それを今になって否認したり、直そうとしていると、いうような発言が聞かれるのは、いかにも不適当なことを自ら表明していることになるのではないかと、いう風に捉えております。
そして二つ目の橋下市長の発言についてですが、私はそれを受けて、日本を主導する立場にある政治家の歴史認識や女性の人権を尊重する意識がいかに貧弱であるかを思い知らされ、また失望感を覚えました。その発言について逐一コメントすることは致しませんが、私は、市長の発言よりも、今回の発言についての日本社会の反応に注目する必要があると思います。 本日の新聞報道等にもありましたけれども、読者投稿ですとか、社説、ソーシャルメディアの反応等を見れば、良識のある日本の国民が橋下市長の発言をどのように受け止めているのかは明らかです。そうした意味から、今回の橋下市長の発言は、水面下にあった日本国民の考え方を露わにした、そういうきっかけになったのだと、いう風に捉えております。一般国民の考え方と乖離した歴史認識を持つ政治家が、慰安婦の被害者の苦痛や、女性の人権という普遍的なテーマについてあらためて考えてみる、そういうきっかけになればと、いう風に思っております。
【朝日新聞の報道との比較】
朝日：
日本の指導的な政治家の歴史認識や女性の人権に対する意識が、こんなに貧弱なのかと失望した
実際：「日本の指導者たる政治家が、歴史認識や女性の人権を尊重する意識が、いかにも貧弱であるっていうことを感じて、失望感を覚えました。」
校正：「日本を主導する立場にある政治家の歴史認識や女性の人権を尊重する意識がいかに貧弱であるかを思い知らされ、また失望感を覚えました。」
朝日：
日本の新聞の投稿欄や社説を読めば、良識ある市民たちが、（橋下発言を）どう受け止めているか分かる
実際：「読者投稿ですとか、社説、SNSの反応等を見ますと、良識のある日本の国民が橋下市長の発言をどのように受け止めているのかを明らかに示されている、と思います。」
校正：「読者投稿ですとか、社説、ソーシャルメディアの反応等を見れば、良識のある日本の国民が橋下市長の発言をどのように受け止めているのかは明らかです。」
朝日：
実際：「一般国民の考え方と乖離した歴史認識を持っている政治家が、慰安婦の被害者の苦痛と、そして女性の人権という普遍的なテーマについてもう一度考えてみる、そういったきっかけになればと、いう風に思っております。」
校正：「一般国民の考え方と乖離した歴史認識を持つ政治家が、慰安婦の被害者の苦痛や、女性の人権という普遍的なテーマについてあらためて考えてみる、そういうきっかけになればと、いう風に思っております。」
朝日：
過去の歴史に対する日本政府の基本的な立場を表明したもので歴代の日本政府は踏襲してきた。これに基づき韓国を含む周辺諸国は、日本との関係を築いてきた
実際：「村山談話”は過去史に対する日本政府の基本立場を表明したものであって、いままで日本の歴代政府はそれを踏襲してきております。」
校正：「村山談話”は過去史に対する日本政府の基本認識を表明したものであり、歴代の日本政府はこれを踏襲してきております。」
朝日：
韓日関係の将来に不安定な要因となる。韓国政府は、そうした動きのあるたびに警告してきた
実際：「韓日関係の将来にも不安定な要因を提供することになると思いますので、そのようなことが発生しないことを、そうするように、韓国政府はそのような発言が出る度に警告をしており、そうした方向で進めていきたいと、いう風に思っております。」
校正：「韓日関係の将来にとっても、これは不安定要因となり得るため、そのようなことが発生しないよう、韓国政府はそのような発言がある度に忠告を行うようにしており、また、そうした方向で進めていきたい、という風に考えております。」
