GivingTreeの雑記帳 [はてな版]

seeking for my another sky─それは、この世界そのものだと気付いた

#映画レビュー

映画:スラムドッグ・ミリオネア(2009年)

この映画がオスカーを 総なめにしたのは 決して偶然ではない 世界の人々が 理解を備えた 受賞は その証 スラムドッグ・ミリオネアー行きでもみたいと思っていたが、シリアス作品は帰りにとっておいた。『勇午』でインドのカースト制度についてはだいぶ知った…

映画:君のためなら千回でも(2007年)

またもや「娯楽」と位置づけてよいのか悩む作品なのだが、海外出張(オランダ)の中休み中に見た作品なので、まあ「娯楽」といっても差し支えないだろう。たまたま、宿泊先のホステルで上映されたもので、俺は知り合ったばかりの若いカナダ人フリーターたち…

映画:GATE -A True Story- (2008年)

http://gndfund.org/gate/images/main.jpg 7月19日に封切られた史上初の核に関する長編ドキュメンタリー映画『GATE』 今年2月に偶然、試写会で見る機会に恵まれた映画『仮題:原爆の火~零時三分前~』が満を持して本日、新たに『GATE -A True Story-』と改…

総合批評:ゲド戦記(Tales From EarthSea)─(2006年)

時の歌-手嶌葵 「ゲド戦記」 TV初放映記念:総合批評『ゲド戦記』 個人批評 (前編) (後編) 原作者批評 (原文) 原作者による作品の感想 (訳文) 前編 中編 後編 訳:GivingTree テルーの唄-手嶌葵 「ゲド戦記」

映画:チャーリー・ウィルソンズ・ウォー(2007年)

911以前、「アフガン戦争」といえば、旧ソ連の侵攻によって始まった戦争を意味した。ハリウッドで映画化もされ、90年代の世界は「アフガン戦争」とは冷戦下で行われている米ソの代理戦争(熱線)だったと理解していた。そのことは911以後も語り継が…

映画:地下鉄(メトロ)に乗って―2006年

夏休みの時間を生かして、ずっと見たかった作品の二作目を観た。 浅田次郎原作の『地下鉄(メトロ)に乗ってだ。 TVの予告編で堤真一の台詞を聞いてからというもの、その内容を大体把握しながらも、観たかった。けれども、なかなか観る気分になれなかった…

映画:バベル(Babel)─2006年

また「娯楽」に分類できない作品を観てしまった。 最近は仕事マインドになっているせいか、純粋に「娯楽」として映画を愉しむ気になれない。 映画 『バベル』のネーミングに対する日本人の捉え方というのは、結局聖書という欧米の文化が伝えた中での神話に基…

映画:王と鳥(Le Roi et L'Oiseau)─1980年

今年4月に発売されたフランスのアニメ映画『王と鳥』のレンタルDVDをやっと観ることができた(←まずは、その美しいメインテーマの調べを堪能してほしい)。ジブリの高畑勲や宮崎駿はこの作品の監督ポール・グリモー(Paul Grimault)に大きな影響を受けてい…

映画:007カジノロワイヤル(CASINO ROYALE 007)─2006年

ひょんなことから、レイトショーで007シリーズの最新作を見ることになった。しかも兄弟で。 実は、劇場で007作品を見るのは初めて。全作品欠かさず見ているというのに、劇場で観た試しはなかったのだ。これほど劇場で観る甲斐のあるシリーズもないのだが、何…

特別転載:(後編)『ゲド戦記』原作者による作品の感想

『ゲド戦記』原作者アーシュラ・ル=グイン氏本人による感想(後編) 道徳観の捉え方が支離滅裂 原作での道徳観が、映画では支離滅裂に捉えられています。たとえば、映画の中でのアレンによる父の殺害には、これといった動機がなく、かつ恣意的なものです。…

特別転載:(中編)『ゲド戦記』原作者による作品の感想

『ゲド戦記』原作者アーシュラ・ル=グイン氏本人による感想(中編) 原作に対する敬意が払われていないように思える アメリカや日本の制作会社は、どちらも原作に登場する名前の流用や、一部コンセプトのつまみ食いといった形でしか、私の原作を取り扱いま…

特別転載:(前編)『ゲド戦記』原作者による作品の感想

『ゲド戦記』原作者アーシュラ・ル=グイン氏本人による感想(前編) 非常に美しく、興奮できる、けれどもちぐはぐな作品 それでは、なんでもすぐに公になってしまう現状に乗っかって、この作品に関する私の第一印象のもう少し詳細なレポートを、15分間分だ…

特別転載:『ゲド戦記』原作者による作品の感想

『ゲド戦記』原作者アーシュラ・ル=グイン氏本人による感想 (前書き) 宮崎アニメと原作ファンの両者から賛否両論を呼んでいる 『ゲド戦記』(個人的感想)について、宮崎駿監督にアニメ化を快諾(というより積極的に推薦)した原作者のル=グイン氏当人は…

アニメ:(後編)ゲド戦記(Tales From EarthSea)─2006年

注:以下、ネタバレだらけ。 本作のスケールが小さいことには前編で触れたが、どう小さいのかを説明していなかった。それは前編に挙げたような親子の確執が原因により、縮小を余儀なくされたことだったのかもしれないが、俺は原作者が宮崎フリークだとして今…

アニメ:(前編)ゲド戦記(Tales From EarthSea)─2006年

『日本沈没』と同じ日に、無謀にも2本立てで見ようと実践し、その結果見た順番によって『ゲド戦記』はまったく心に残らない作品となってしまった。でも実際、その内容が素の心で見ても心に残った作品かというと、そうでもなかったように思う。今回は音楽も…

映画:(総括)日本沈没(Sinking of Japan)─2006年

国家規模の災害が起きたとき、この相互依存社会の中では国家は他の国家、多国間条約機構(国際機関)、あるいは超国家的な組織(現在これが事実上存在するとすれば、国際赤十字くらいかもしれない)に頼るしか術がない。 事実、『日本沈没』の中では、同盟国…

映画:(後編)日本沈没(Sinking of Japan)─2006年

夢のような政府の競演 北海道の駒ヶ岳、九州の阿蘇山のカンデラが消滅するほどの規模の大噴火(うろ覚えなもんで順番や地名が違うかもしれない)に象徴される、日本沈没の兆候を示す数々の大災害の頻発に対し、その一連の噴火で爆死した亡き首相に代わり有事…

映画:(前編)日本沈没(Sinking of Japan)─2006年

前書き 現在環境問題に強い関心─というより不安─を持っている俺にとって、この映画を見ることは特別な意味を持っていた。それは、脚本がどうキャスティングがどうという、映画という作品としてのファクターなどはどうでもよくて、未曾有の災害発生時≪有事≫に…

映画:トータル・フィアーズ(The Sum of All Fears)―2002年

最近、映画好きが嵩じて携帯DVDプレイヤー(こんなの)を買ってしまった。 ここまでくれば立派な映画好きだ。最初は、その映像クオリティを試すために 『Final Fantasy VII Advent Children』を観てみた。 8"ディスプレイながら美麗な全編CGの表現力に満足し…

映画:愛についてのキンゼイ・レポート(KINSEY)―2004年

劇場で観るにはちょっと勇気が要った「キンゼイ・レポート」をやっと、恋人と一緒に観ることができた。彼女は、一部の映像にさすがにastound (仰天)させられていたようであり、目を背けてしまうことすらあった。だが俺は違うことを感じていた。 半世紀も前…

アニメ:岸辺のふたり(FATHER AND DAUGHTER)─2000年

Father and Daughter(岸部のふたり) 『第2日本テレビ』という民放のブロードバンド放送という意欲的な試みの中で、スタジオジブリ推薦の珠玉のアニメ作品に出逢った。いまも、バックでそのあまりにも気に入ってしまった音楽だけを聴きながらこれを書いてい…

映画:ザスーラ(ZATHURA)―2005年

どうせ『○○マンジ』の焼き直しだろうと、タカをくくっていた。 いい意味で期待を裏切られた。実際、「前作」より気に入ってしまった。 メイキングや監督インタビューなど、特典映像を全て見て、納得した。 この映画を作った人たちは、たいしたチャレンジャー…